『個人事業主が車を持つならカーリースと購入どっちがおトクなの?』
『節税するなら車はリースがいいみたいだけど、どうして?』
個人事業主がクルマに乗るならカーリース(車のサブスク)※がおすすめです。
※カーリースと車のサブスクは同じサービスです
カーリースは車を購入するのと比べて、「大きな節税効果が期待できる」「経費処理など面倒な事務手続きの負担を軽減できる」といったメリットがあります。
当記事では、個人事業主にカーリースがおすすめな理由、メリット・デメリットや注意点などについて解説していきます。
実際にカーリースを利用しているボクが解説します。
「車の購入」と「カーリース」は経費計上の仕方が異なる
冒頭でもお伝えしたとおり、個人事業主が車に乗るならカーリース(車のサブスク)がおすすめです。
その理由は2つあります。
- 大きな節税効果が期待できる
- 経費処理など面倒な手続きの負担が軽減できる
個人事業主が車を持つ方法方法として「購入(現金一括)「ローン(分割購入)」「カーリース」の3つがありますが、いずれも経費計上の仕方が異なります。
購入・ローン・カーリースの経費計上における違い
購入(現金一括) | ・減価償却で経費計上する ・車の取得費用を全額一度に経費計上できない ・余計な税金を支払う必要が出てくる可能性がある ・会計処理が複雑で面倒 |
---|---|
ローン(分割払い) | ・減価償却で経費計上する ・利息分を経費計上可能 ・ローンの元本返済部分は経費計上できない ・現金購入よりも会計処理が複雑 |
カーリース | ・毎月かかるリース料金をすべて経費として処理が可能※ ・固定資産税の経費計上や減価償却の計算が不要 ・経費処理がシンプル |
※100%仕事で車を使用する場合
カーリースは大きな節税効果が期待できる
購入、ローン、カーリース(車のサブスク)どの方法でも仕事用の車を購入・維持するためにかかる出費の大部分を経費に計上することが可能です。
現金一括購入は減価償却が必要、一度に全額経費計上できない
現金一括で購入した場合は「減価償却」と言って、耐用年数に合わせて分割して経費計上しなければならず、購入した年に全額経費計上することはできません。
さらに言えば現金一括購入だとまとまった資金が必要になるので、資金繰りの面で避けたい部分もあります。
ローンは支払利息が経費計上可能
ローンで購入した場合も車の購入費用を減価償却して経費計上します。また、毎月支払う利息部分を経費計上可能です。
ローンの返済部分は経費計上不可となります。確定申告では借入金や未払金などとして計上する必要があります。
カーリースは全額経費計上も可能
現金一括は減価償却によって購入年度に一括経費計上できませんし、資金繰りの面でも厳しいです。
しかし、カーリースなら車を100%仕事で使用する場合、リース料全額を経費で落とすことが可能です。※大きな節税効果が期待できるのは言うまでもありませんね。
このことから個人事業主にとってカーリースは、車をお得に乗る方法だと言えるのです。
※プライベートでも車を使用する場合は家事按分の必要がありますので注意してください。
※会社の規模や契約内容によっては資産計上が必要になる場合もあるので、契約する際は担当の税理士へ相談してください。
カーリースは車の所有者はリース会社です。リース会社所有の車を契約者が一定期間借りて乗る形なので、リース車両はリース会社の資産となります。契約者の資産にはなりません。そのため、毎月支払う月額リース料金は車の使用料として経費扱いになります。会計上はリース料として仕訳すればいいのです。
カーリースは経費処理など面倒な手続きの負担を軽減できる
個人事業主が車を現金一括またはローンで購入した場合、減価償却によって経費計上をしなければいけません。減価償却の計算は複雑なため経費処理するのに手間と時間がかかります。
カーローンの場合は、返済の仕訳や勘定科目が増えるため現金一括購入よりも会計処理が複雑になります。
一方、カーリースなら減価償却のような複雑な計算や煩わしい処理をする必要はありません。毎月支払う月額リース料金を経費として計上するだけなので手間と時間を省けます。
そして、カーリースの場合、月額リース料金には車にかかる維持費のほとんどが含まれているのも経費処理をラクにしている要因と言えます。
個人事業主は下記のように車の維持費も経費に加えることができます。
経費にできるもの | 勘定科目 |
---|---|
自動車税・重量税 | 租税公課 |
自賠責保険・任意保険 | 保険料 |
車両の維持費 (ガソリン代/洗車代/車検代/メンテナンス費用など) |
車両費 |
駐車場代 | 月極駐車場なら地代家賃 時間貸しは旅費交通費 |
車を購入した場合、減価償却の計算をはじめとして諸経費と税金などの仕分けが必要となり、細々と会計上の手続きをしなければいけないので面倒です。
カーリースの場合「自動車税」「重量税」「自賠責保険」「車検代」「メンテナンス費用」はリース料に含まれているので会計処理はシンプルにできます。※
※リース会社によっては「任意保険」も月額リース料金に含めることが可能です。
個人事業主がカーリースを利用するメリット・デメリット
個人事業主が車のカーリース(車のサブスク)を利用するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
個人事業主がカーリースを利用するメリット
個人事業主がカーリースを利用するメリットは以下7つが挙げられます。
- 経費処理が断然ラク
- 全額経費で落とせる
- まとまった費用が必要ない
- メンテナンスが楽になる
- 定額の支払いで常に新車に乗れる
- 乗り換えがラク
- わナンバーにならない
個人事業主がカーリースを利用する大きなメリットは、やはり経費処理がラクなことと全額経費計上できることでしょう。
全額経費にできれば節税効果は大きく、購入するのと比較して出費を抑えられます。資金繰りの側面から見てもメリットは大きいです。
また、カーリースは初期費用0円で車に乗れるのも個人事業主にとって大きなメリット。資金不足を心配しなくていいのはありがたいことですね。
カーリースは車を所有するわけではないので、売却手続きは一切不要。乗り換えする場合は、リース会社に返却し再度新しいクルマで契約するだけでOK。手間を省くことができます。
定額で常に新車乗っていられるうえに、乗り換えがラクなのは忙しい個人事業主にとってはメリットになるでしょう。
そして、カーリースはクルマのナンバーが「わナンバー」ではありません。一般ナンバーとなるため借り物の車だとバレません。顧客からの信頼を得やすくビジネスを良い方向に進められます。
個人事業主がカーリースを利用するデメリット
では逆に、個人事業主がカーリースを利用するのにどのようなデメリットがあるのかも見ていきましょう。
- 車の使用に関して様々な制約がある
- 走行距離制限がある
- 中途解約できない
- 返却時に原状回復費用がかかる場合がある
カーリースは、借り物ですからマイカーのように好き勝手使用することができず、使用するにあたっていくつかの制約があります。
喫煙や改造など車両の価値を著しく低下させる行為は禁止されています。
走行距離制限を設けている点にも注意が必要です。たとえば、営業などで走行距離が長くなってしまう個人事業主は気をつけましょう。走行距離制限はリース会社によって異なりますが、一般的には1,500km/月前後に設定しているところが多く、超過した分は1kmあたり10円といった形で精算金を請求されます。
また、原則中途解約は不可となります。もし、中途解約する場合は違約金が発生するので、それも加味して契約期間を決めるようにしましょう。
契約終了時は基本的に車両を返却することになりますが、車両に大きな傷や目立つ汚れなどがある場合は修理・クリーニングなどの原状回復費用がかかる場合もあります。借りている車ですから、キズや汚れをつけないように使用することをこころがけましょう。
カーリースのデメリット詳細はこちらの記事で解説しています。
個人事業主がカーリースを利用するには審査がある
個人事業主なら誰でもカーリース(車のサブスク)を利用できるわけではありません。申し込んだらリース会社の方で審査を行い、問題ないと判断されてはじめて契約という流れです。
カーリースは個人が利用する場合でも審査がありますが、個人事業主の場合は審査通過の基準がやや厳しくなっています。
審査で主に次の部分が見られます。
- 経営状況
- 安定、継続収入
- 業種
- 債務整理の有無
個人事業主ですから、当然ながら事業者としての実績は重視されます。直近3年間の決算書を提出するなど事業の状況を示す必要があります。
赤字決算はもちろんのこと、黒字でも収益が少なければ経済力に問題ありと判断され審査落ちの可能性が高まります。
業種によっては利用不可となるものもあります。貸金業者や風俗業などはその可能性が高いです。
そして、個人として信用力があるかもチェックされます。クレジットやローンの返済を滞納していたり、過去5年以内に債務整理した経験があるなどすると審査通過は厳しいです。クレジットやローンを利用されているなら、期日通りの支払い・返済することを意識してください。
個人事業主がカーリースを利用する際の注意点
個人事業主が車のカーリース(車のサブスク)を利用するうえで何に注意すべきなのか解説していきます。
車を仕事とプライベートで兼用している場合
個人事業主がリース料を全額経費にできるのは100%仕事用として使用する場合だけです。
リース車を仕事とプライベートの両方で使用する場合、「家事按分」といってそれぞれどのぐらいの割合で使っているかを算出し、仕事で使用している分だけを経費として計上します。
例)1ヶ月の平均走行距離が100km、うち約60kmが仕事で使用した際の走行距離
⇒60%を経費として計上する
家事按分には明確な決まりはありません。ただし、数字的な根拠を用いて説明できることが重要です。そのほうが税務署からの理解を得られやすいです。
家事按分の根拠を明確化するために仕事で車を利用した際に運転記録などをつけておくといいでしょう。もし、私用で使う比率が高くなりそうなら担当の税理士へ相談したほうがいいです。
トータルの支払いはローンより高くなることも
カーリースでは、残価(契約満了時のリース車の価値)を設定し、あらかじめ車両本体価格から差し引いた金額を契約月数で割って月々支払っていきます。
たとえば、車両価格300万円、残価100万円で5年契約なら5年間で支払う車両価格分は200万円で済みます。カーローンで同じ5年契約だと、300万円全額を支払わないといけません。
このように、カーリースは同じ期間乗るならカーローンよりも支払総額を抑えることができます。
しかし、リース車両を買い取るもしくはもらうなどして所有した場合はカーローンよりも割高となりますので注意が必要です。カーリースは、契約満了を迎えると基本的に車両を返却となりますが、リース会社によっては買い取ったりもらえるプランが選べたりします。
カーリースは、残価設定があるからこそ同じ期間の利用ならカーローンよりもお得になるのであって、残価分も支払ってしまってはカーリースのメリットを活かせません。
もちろん、少し割高になってもリース料を全額経費計上できますし、コミコミにすることで車のあらゆる手間をなくして管理をラクにできるのはカーリース最大のメリットでもあります。
最終的に車両を買い取るもしくはもらえるプランでリース車両を所有とする際は、その点も考慮しておきましょう。
個人事業主のカーリースの経費仕訳と勘定科目について
個人事業主はカーリース(車のサブスク)で借りた車の利用料(リース料)を経費計上できます。
カーリースには取引方式が
- ファイナンス・リース(所有権移転外・所有権移転)
- オペレーティング・リース
の2種類あり、それぞれ仕訳の仕方が異なります。
利用予定のカーリースがどのような方式なのかあらかじめ調べておきましょう。
ファイナンス・リース取引の仕訳の仕方
ファイナンス・リースは中途解約できない契約方法で、車のメンテナンスや修理にかかる費用は利用者負担となります。※
※メンテナンス費用もリース料に含められるオプションを用意しているリース会社もあります。
そして、ファイナンス・リースは「所有権移転外ファイナンス・リース」と「所有権移転ファイナンス・リース」の2種類あります。
所有権移転外ファイナンス・リース:リース契約満了後、車両の所有権が使用者に移らない契約。
所有権移転ファイナンス・リース:リース契約満了後、車両の所有権が使用者に移る契約。
要するに、リース車が契約満了後に自分のものになるか・ならないかの違いです。
では、それぞれのリース方式で経費計上をどのように行うのかご紹介します。
例)キャッシュ一括で購入した場合の価格が「300万円」、リース契約の支払総額が「360万円」、支払い方法を「毎月60,000円(60回)」の場合。
所有権移転外ファイナンス・リース | 所有権移転ファイナンス・リース | |
---|---|---|
契約時 | リース資産300万円/リース債務300万円 | リース資産300万円/リース債務300万円 |
支払時 | リース債務50,000円/現金60,000円 支払利息10,000円 |
リース債務50,000円/現金60,000円 支払利息10,000円 |
決算仕訳 | 減価償却60万円/リース資産60万円 | 減価償却費499,992円/車両運送費499,992円 |
所有権移転ファイナンス・リースは、将来的に所有権が移ることが確定しているのでお金を借りて資産購入した場合と同じ仕訳をします。
そのため、減価償却は車を購入した場合と同じように行います。新車の場合は、法定耐用年数6年で減価償却を行うので72回(6年)払いとなります。
オペレーティング・リース取引の仕訳の仕方
ファイナンス・リース取引以外の取引方式がオペレーティング・リース取引です。資産を借りているだけで契約満了後はリース会社に車両を返却する取引を指します。
車両を入手したとみなされないので月々支払うリース料金だけを仕訳すれば良いので、支払ったときだけ記帳すればOKです。
上記と同じ条件(300万円の車を月額6万円で契約)の場合の仕訳は次のようになります。
- リース支払い時のみ記帳
リース料60,000円/現金60,000円
実際に支払ったリース料をそのまま記載すればいいだけなので、オペレーティング・リース取引が経費計上は最もシンプルな処理になります。
仕事とプライベートで兼用している場合(家事按分)
個人事業主の場合、仕事とプライベートの療法で車を使用することもあるでしょう。その場合、家事按分をして、仕事に利用した分だけを経費計上することになります。
家事按分の分け方に明確な決まりはありませんが、算出方法には一定の根拠が求められます。
・1ヶ月の平易金走行距離が100km、そのうち約60kmが仕事で使用した際の走行距離だから60%を経費にする
・1週間の内、平日5日は仕事で使用し、土日は家族とプライベートで使うから5日分を事業用として按分する
税務調査で質問されたときに納得の行く按分比率であれば問題ありません。
また、按分の比率は毎月変えず、一度実態に即して決めたら継続して同じ比率を利用します。事業用と個人用に車を2台持つのはもったいないことです。しかも、乗るのが1人なら2台持ちはなおさらです。
どの程度の割合で車を使用しているのか確認し、適宜按分処理しましょう。
個人事業主でカーリースがおすすめな人
どのような個人事業主にカーリース(車のサブスク)はおすすめなのでしょうか。
- できるだけ出費を抑えたい
- 面倒な手続きを避けたい
カーリースは、毎月支払うリース料金だけで税金や保険などの初期費用はかかりません。そのため、まとまった出費を避けたい、できるだけ出費をなくしたいと思っている方におすすめです。
また、クルマを購入するとなると様々な手続きを自分でやらなければなりませんので面倒です。カーリースなら、それらの面倒な手続きから開放されます。
クルマを購入した場合減価償却で毎年少しずつ経費計上しますが、複雑なため会計ソフトなどを使用し自分で経理をされている方もいるでしょう。減価償却は処理が難しく面倒です。経費処理の負担も軽減したいと思っている個人事業主には車のカーリースがおすすめです。
個人事業主におすすめのカーリースはトヨタのKINTO(キント)
出典:KINTO
個人事業主におすすめのカーリースはトヨタの「KINTO(キント)」です。おすすめの理由は次のとおり。
コミコミ定額、車関連の費用をまとめて経費計上可能
トヨタKINTO(キント)の月額料金には税金・任意保険・車検費用などクルマの維持費用がすべて含まれます。月々の支払いが一定だから支出管理がラクなうえにキャッシュフローが安定します。
月額利用料は経費計上可能で面倒な減価償却から解放されます。
しかもクレジットカードでの支払いも選べるから、ショッピングポイントを貯められるからお得です。
KINTOはWEBで申し込み完結、決算書の提出不要
トヨタKINTO(キント)は、WEB上で見積もりから申込みまで完結。納車以外は来店不要。
決算書の提出も不要だから業務効率化に貢献。お仕事などで契約手続きに時間をかけたくない人にも向いています。
\車の費用一本化で管理がラク!/
トヨタKINTOについてはこちらの記事で詳しく解説しています。申し込みする前にぜひ一読ください。
⇓ ⇓ ⇓
KINTOとは?トヨタのサブスクの仕組みや特長、メリット・デメリット、どんな人におすすめなのか徹底解説
まとめ
カーリース(車のサブスク)は法人が社用車として利用するイメージが強いですが、個人事業主も契約でき、業務で使用する割合に応じて経費にできるメリットがあります。
車の導入を検討されているのであれば、カーリースも視野に入れてみてはいかがでしょうか。